人前で話すのが上手だなぁと感じる人の特徴として、聴き手である私たちの情報処理スピードを把握して、次の話題に入ってくれる、というポイントが挙げられます。

 

「喋れる」と「話が聞きやすかった」は違う

人前で喋れる人って、います。どこまでも、延々としゃべれる人って、いますよね。ありがちなのは、立場が上の人です。

 

学校で言えば、校長先生。
会社で言えば、上司。
近所の、おばあちゃん(笑)。

 

こちらのコラムでも以前お話ししましたが、立場が上になると、聴き手側が勝手に「話聞かなきゃ!」モードに入るのと、「〇〇さんだし、止められない」という相手を立てる感情から、誰も止める人がいなくて、どんどん長くなっていきます

 

伝えたい!
話したい!
これだけは言わせて!

 

この想いが強すぎると、長くなる傾向にあります。一度に、全部伝えなきゃ!と話し手側が勝手に思ってしまうからです。

 

でも、話が長くなれば長くなるほど、聴き手側は疲れてきます。なぜなら、聴き手側は受け身だからです。

 

 

想像してみて下さい。

目の前で話している方が何かを話すたびに、一つポケットサイズの小さなプレゼントをもらったとします。少量ならば、持って帰ることが可能。しかし、何個も何個も渡されたら、あなたはどうなりますか?

どんなに小さなプレゼントだとしても、持ちきれません。鞄にも入らない。洋服のポケットは満杯。中身がお菓子だったからいくつか食べたけど、お腹いっぱい。ズボンのゴムのとこにもひっかけてみたけど、まだある…。

さぁ、どうする?

 

・捨てる
・仕方がないから宅急便で送る
・誰かにあげちゃう
・もはや受け取らない

 

という選択をするでしょう。これってね、あなたが与えたつもりの言葉が、逆に相手の負担になってしまっている状態なんです。

だから、べらべら延々と喋れればいいって問題じゃないのです!

 

ちゃんと相手を、見ながら話す

 

先日、120分間全部ワークショップというセミナーをやりました。ただ単にずっと、表現遊びをしたり、非日常を体験しているわけではありません。ちゃんと人前で話すことに役立つ理由があるんです。

前回は、A4一枚に簡単な童話が書いてあり、それを

・読み手
・アクター

に分かれて演じてみる、というワークショップをやりました。

 

アクターは、自分がどんな動きをすればいいのか分かりません。台本を覚えていないし、持っていないから。

読み手は、アクターが自分が放つセリフを聞いて、その通りに動けるように、内容を読んで伝えてあげなくてはいけません

 

そう。つまり必然的に、話し手と聴き手のコミュニケーションが生まれるわけです。

 

・読み手が自分のペースで読んだら、アクターが付いていけない(情報処理が追い付かない
・アクターが読み手の話を聞いていなければ、場面が成立しない
・読み手とアクターが、それぞれの世界観を共有しようと思わないと、物語の世界は崩れる

 

これは、人前で話すときと、全く同じですよね。演劇の力を使ってで疑似体験してもらったわけです。舞台役者の芝居が伝わってくるのは、役者⇔お客様のコミュニケーションを取ろうとしているからです。

 

ただ、べらべら喋れるようになるのを目指すのではなく、相手の情報処理スピードを意識してみてくださいね。

 

人前を克服することは、未来を切り拓く
それではまた次回、お会いしましょう~!

 

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