たった一歩踏み出しただけで空気を変えられる人には特徴がある

喋ってもいないのに、たった一歩踏み出しただけで空気を変えてしまう人がいます。きっと、あなたにもその瞬間をみた経験があるでしょう。

 

・毎回〇〇さんの挨拶の時だけ、ステージに注目が集まる
・○○さんがいる時といない時の室内の空気が違う
・いつもはダルい雰囲気だが、○○さんが入ってくると、なぜか元気が出てくる

 

先天的な才能なのでは?と思いがちな、空気を変える人たちですが、実は後から鍛えることだって出来るわけです。若いころは出来なかったとしても、年齢を重ねることで空気を変える人になることは可能です。

 

「空気を変える」は俳優が喉から手が出るほど欲しいもの

今は亡き俳優、平幹二朗氏をご存知でしょうか。82歳で亡くなるまで、俳優人生を貫いた日本の名優です。私は平幹二朗氏のお芝居が高校時代から好きで、あんな人になりたい!と憧れ続けており、お亡くなりになった今でも、あんな人になりたい!は変わっていません。

それはなぜか。

平幹二朗氏には、たった一歩舞台に踏み出すだけで、今まで流れていた空気を、ゴッソリと入れ替えてしまう力があったからです。

高校時代、学校の先生のご厚意で、平幹二朗氏が主役を演じていた「オイディプス王」を観劇する機会がありました。1987年生まれの私には、平幹二朗という俳優は全く知らない存在であり、「とにかくすごい俳優が演じている」という情報だけを片手に観劇をしたのです。

 

衝撃を受けたのは、登場シーンでした。舞台の下手(客席から向かって左側)から歩いて出てきたオイディプスに扮する平幹二朗氏。言葉は発していないのに、観客席全体の背筋が伸びたのが分かりました。

 

空気を変えるには、

・発声
・目線
・身体の身振り手振り

と思いがちですが、それ以上に大切なのは、

 

・足の指先~頭のてっぺんまで、信念(自分の本質)を貫き大地を踏みしめている
・1秒前まで空間に流れていたエネルギー値より3倍以上高いエネルギー値で空間に入る
・身体全身で空間の空気を引き受け、それ以上の空気を返す

 

という3つのポイントに過ぎないのです。(もちろん、発声など基本的パフォーマンス力はあるに越したことはありません。)

この3ポイントの歯車がかみ合った瞬間、空気は変わるのです。目に見えませんが、私たち人間は五感で感じることが出来ます。人間だって、動物ですから。この動物的感覚を大切に出来なければ、空気を変えることは、出来ないに等しいのです。