「面接練習がうまくいかない」という悩みをお伺いしました。

 

高校3年生で、夢もある。これから進学の面接を受けるのに

「私喋るの下手だから」
「絶対面接の人と目があったら、喋れなくなるもん」

と、前向きになれない。
練習をたくさんすれば大丈夫だよ。と言ったとしても全然動かない。もしくはヘラヘラして、中途半端。

このように生徒が話すのは、自己肯定感が低いからです。

自己肯定感が低くて自信がない子は、成功体験の積み重ねが出来ていないため、面接の練習も中々進みません。その気持ちを理解して欲しいのと、失敗するのが恥ずかしくて練習なのに縮こまってしまうからです。

 

面接練習の前にしたいこと

彼らの漠然とした不安を取り除くためには、面接練習にくる前の「事前練習」をすることが必要です。

面接でどんなことを聞かれるのかをまとめることも、もちろん必要ですが、それ以上に「なぜ自分はその大学(会社)に行きたいのか」をざっくばらんに語らせる時間を持つのです。

面接を受ける生徒たちは、フォーマット通りの質問に対する答えだけを持って、しかもそれを丸暗記して面接練習に挑むわけですから、そりゃぁまるで公開試験を受けているような気持ちになります。

生徒達って、発表の場になると縮こまって、モゴモゴして声が小さくなりませんか?なのに、休み時間のお喋りは大声でギャーギャー騒いで楽しそう。
その勢いで授業の発表もしてくれ!って内心思いますよね。でもその前に、この「ギャーギャー騒いで楽しそう」と感じることに、ポイントがあります。

彼らは、

・伝える声
・自然な身振り手振り
・豊かな表情

を本来持っているんです。そこを、面接練習の「事前練習」で引き出してあげるのです。

 

事前練習のポイント

この事前練習は練習というより、座談会のような雰囲気で行うことが大切です。マンツーマンでも複数名で行っても構いません。大切なのは、志を堂々と語れる場を作ることです。

学校の中では、熱意を持って取り組んだことや、将来こんなことをしたい!という思いを語る場があまりに少なく、急に語れと言われても、小っ恥ずかしくてたまらないのです。大人だって、同じですよね。

ここでは、評価をしてはいけません。むしろ、ひたすら小さな「良いね」ポイントを探してください。

「今の、プログラマーに成りたいと思ったキッカケのところ、すごく熱がこもってて良かったよ!」
「大学で頑張りたいと思っているところ、身振り手振りもついていて、引き込まれたよ!」

など、具体的に良かったポイントを認めて伝えます。「もっとこうした方がいい」は、その後です。自己肯定感が上がっていないまま提案しても、さらに不安にさせるだけです。

 

普段から、心を動かされる瞬間は何か?を見つけておく

実はこのワークを行う上でもっとも大切なことは、先生であるあなたが、普段から「熱意・信念を伝える」という行動をしているかどうかです。

自分の心が動かされた瞬間というのは、感情が動いている瞬間です。自分の感情が動かされなければ、自分自身が相手の心を動かすような話は出来ません。感情の動いたポイントが分からなければ、話のネタにさえすることが出来ないからです。

また、先生が恥ずかしがっていることを、生徒に「やれ」と言ったところで動きません。まずは自分から、感情が動く瞬間を探しに行くこと。そしてそれを出来るだけ人に伝えること。

練習がてら、ホームルームで語る時間を持ってもいいかもしれません。

生徒を変えよう、と思う前に、自分を変える。生徒はあなたのことをよく見ています。自己研鑽している姿を見れば、彼らも変わってくるでしょう。