スピーチ・プレゼンの伝わる要素として、身振り手振りが挙げられます。

よく、「身振り手振りができない」と言うお悩みをお伺いするのですが、結論から言うと、身振り手振りは自然に出るものであって、無理矢理つける必要はありません。身振り手振りは、感情が高ぶった際に、自然と出るものだからです。

 

日本人はなぜ、身振り手振りにこだわる?

そもそも、なぜこのような問いが生まれるのかというと、日本人の「劣等感」が理由の一つとしてあげられます。スピーチ・プレゼン文化は、欧米諸国に強い影響を受けているからです。

日本人は、あまりボディランゲージを使いません。日本人同士ならば、曖昧な日本語表現を察することで理解できるからです。例えば、

「この仕事、今日中に任せていいかな?」
「それは、ちょっと…」

という会話があった場合、おそらく頼まれた相手は嫌がっている、断っているというニュアンスが伝わったのではないでしょうか。もし英語だとしたら、

「Ummm…Sorry, I can’t.」

とハッキリと断ってしまいますよね。頼まれた側が、断りの意志をそのまま言葉にしています。一方日本語の場合、頼まれた側は承諾もしていないし、断ってもいないのです。「言葉」で見ていけば。しかし、ニュアンスで「あ、断ったな」と分かるのです。

このように、日本人同士のコミュニケーションは曖昧な部分が多く、相手の心を察する(もしくは先読みする)という文化を持っているのです。

ダイレクトに伝えようとする欧米諸国であれば、自分の意志をとにかくストレートに伝えなければいけません。誤解があってはいけないわけですので、ハッキリとわかりやすいボディーランゲージも出しやすい文化なのです。

ただ、スピーチ・プレゼンにおいては、「ハッキリとわかりやすい意思表示」があると、より分かりやすいため、身振り手振りをつけた方がいい。という考えになるのです。

明治維新の文明開化以降、日本は「劣等感」から急成長したとも言われています。その意識が、未だ身振り手振りにも出ているといえるでしょう。現代でもよく聞きますよね、「日本人はプレゼンが下手」と。

私たちは、根本的にスピーチ・プレゼンが下手な国民であると、自ら認めているほど劣等感を持っているのです。

 

自然な身振り手振りがスピーチ・プレゼンで出来るようにするには?

身振り手振りを無理矢理しようとすると、ぎこちなくなり、不自然さが目立ってしまいます。すると、その人の感情と身振り手振りが噛み合わないように感じるため、聞き手が嘘っぽく感じ、心が離れる原因を作ります

では、日本人が全く身振り手振りをつけずに話しているのかというと、そんなことはありません。緊張レベルが低く、恥ずかしさレベルも低い、プライベートではどうでしょうか?

驚いた時、共感した時、購入したい個数を伝える時、要らないという時、話を聞いている時のうなづき…様々な感情表現で、自然と身振り手振りを使って話していませんか?

日本人だって、十分身振り手振りをつけてお話をすることが出来るのです。しかし、いざスピーチ・プレゼンをするとなったら何故出来なくなるのかと言えば、

 

・普段身振り手振りをつけて話している意識がない

・普段やっている意識がないため、人前でやろうとすると、恥ずかしい&やり方が分からないと感じる

 

からです。自分を客観視する意識が低いのが、原因なのです。自分が普段、どれだけ身振り手振りをつけて話ができているかを正しく認知できることが大切なのです。

スピーチ・プレゼンをしている時の様子だけをビデオ撮影するのではなく、普段の様子もビデオ撮影してみて下さい。自分の身振り手振りを認識できますし、「自分を見るのは恥ずかしい」という意識も何度かビデオを確認することで薄れてきます。

「なんだ、自分も身振り手振りしていたのか」と感じられたら、人前で話す時の身振り手振りのプレッシャーから解放されやすくなるでしょう。