「人前で話すためのコツってありますか?」
「人前で話すためのコツってありますか?」「緊張しないためのコツってあるんですか?」よく、質問をいただきます。
私はこう答えます。「コツというのは、具体的にどんなコツがいいですか?」と。質問してくださった方のイメージが、どのくらいの物なのかで、答えが変わるからです。
例えば、自分の声が小さいことが悩みの人に対して、身振り手振りの話をしたら見当違いだし、目が泳いでしまう人に対して、発声の方法を教えたって、これまた見当違いです。
個別でご相談も受けていますが、その時にお話をするのはまず、「人前で話すことについて、特に何が気になっているのか?」ということにフォーカスをあてています。
意外や意外。自分の思い込み。
フォーカスを当てていくと、自分の中での思い込みに気づくことがあります。例えば、「声が小さい…」と悩んでいたAさんは、ご自身では「声が小さい」と思っていましたが、実はそうではありませんでした。
自分の声を、ちゃんと聴きながら話していなかっただけ
だったのです。Aさんの声は、小さくはなかった。ご自身が小さい、と感じていたのは、自信がないから自分の話す声を聴きたくなくて、自分がどのくらいの声量で話しているのかを、単純にわかっていなかっただけでした。
技術的なことを言えば、自信の無さから、口をほとんど開けずに話していました。だから少しくぐもっていて、響きはあるのに、もごもごした、ボソボソとした声だと感じていたのです。
ちょっと直しただけでハリのある声が出てましたので、Aさんは、「自分は、大きな声を出せないタイプの人間だ」と思っていただけでした。
自分の声って、ちゃんとアンテナを張っていないと、気が付けないものです。特に男性に多いのですが、ものすごく声がでっかい人がいる。そんなに大きく出さなくても、聞こえるくらいの距離感や、場所だとしても、構わずに大きな声を出し続けてしまう方がいます。
身体の大きめの男性は、特にこのタイプが多いです。響きやすいので、声を出しやすい、というのもありますね。ただ、やはり自分の声をちゃんと聴けていません。
相手に伝わりやすいっていうのは、場所、目の前の人との距離、相手の様子に合わせて調節するもの。人前で話すときも、まったく同じです。
ただ、大きな声を出したらいいってわけではありません。ちゃんと、適切な声を出せるようにする。これも、人前が苦手を克服する一つでもあります。
人前を克服することは、未来を切り拓く
それではまた次回、お会いしましょう~!
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