新しいプロジェクトが始まる時、ハプニングに陥った時、マンネリしたときなど、モチベーションが下がってしまう時があります。そんな時に、
「もっとやらなきゃダメだよ」
「やる気出してよ」
などと伝えるのは言語道断ですね。モチベーションの下がっている人には効果ゼロです。なぜなら、聞き手は、話し手の言葉などさほど聞いていないからです。
心理学のテクニックで「アイメッセージで伝える」という方法があります。非常に有効な手段で、多くの書籍やセミナーでも取り入れられています。しかし今、「要望を伝えるにはアイメッセージ」の考え方が横行し、テクニックだけを見てしまうことが多くみられます。
心理学的テクニックをただ鵜呑みにして使うのでは、意味がありません。なぜなら、聞き手は話し手の感情を感じ取っているからです。
言葉の裏の匂いを感じると、人は離れていく
どんなに「アイメッセージ」を使ったって、その時のあなたの感情が伝えた言葉に反しているのであれば、相手はその感情を無意識で読み取ります。人は、
・声のトーン
・目の動きや身振り手振り
・表情
から感情を読むのが得意です。言葉の羅列ではありません。「雰囲気的に悪い感じだった」なんて、よく使う言葉でしょう。話し手が「アイメッセージ」で聞き手に伝えたとしても、聞き手は話し手の言葉を聞いちゃいません。話し手の言葉の裏に隠された感情を読んでいます。
やる気のない人を見て、モチベーションを上げたい。
「いい加減にしてくれ、こっちの気持ちにもなってくれよ」
と思ってしまうから、イライラします。その感情のまま、正しい「アイメッセージ」を伝えても、聞き手には響きません。「心理学のテクニックだけを使えば相手は動く」は、大きな間違いなのです。
感情の波をコントロールする
そのためには、感情の波をコントロールすることが大切です。時には、意図的に怒りの感情を出すことも重要。一番やってはいけないのは、話し手が聞き手の感情に流されていることに気が付かず、そのままの状態で相手を動かそうと、言葉を羅列し伝えることです。
感情の波をコントロールできていない人の信用度は落ちます。感情に乗って出てきた言葉にブレが生じているからです。感情の波をコントロールするには、意図的に感情を出していく練習が必要です。
あなたは、感情の波をコントロールしながら、相手に伝えられていますか?