「なんかもう、いっかなぁ～って思っちゃって。全然出来ないし。」
この言葉は、Ｉちゃんという私の生徒が言った言葉です。私が、高校で働いていた時の生徒です。
Ｉちゃんは、とってもまじめな子。で、ちょっぴり不器用さんで恥ずかしがり屋さん。そして、心がすごく優しい子。Ｉちゃんの夢は声優になることです。でも、人前で話すことは、最初は苦手でした。決して、目立つタイプでもありません。
Ｉちゃんは、自分を変えたいとも思っていました。私はＩちゃんを入学から卒業まで見ましたが、たくさんの挫折を繰り返して前に進んだ生徒です。
さて、そんな真面目なＩちゃんが、授業中に友人に話しかけてばっかりで、身が入っていない日がありました。空回りしてる感じがしました。話す言葉遣いも、いつもよりもちょっとトゲトゲしかった。だから、
「今日さ、私とランチミーティングしようよ♪」
と誘い出しました。（生徒たちとはよく、ランチミーティングという名の、お弁当食べながらのカウンセリングをしてました＾＾）
「なんか今日は、いつもよりも頑張っちゃってる感じだけど、気のせいだった？」
と話し出したとき、ポロポロポロっと涙をこぼしながら、Ｉちゃんが言ったのが、
「なんかもう、いっかなぁ～って思っちゃって。全然出来ないし。」
この言葉でした。
迷ったときは、「あなた自身」に、質問してみて
Ｉちゃんは、急激に成長するタイプではなく、緩やかに、じんわりと成長していくタイプです。何度も躓きながら、その度に悩んで、泣きながら前に進んでいきました。
人生は、時に残酷です。３年生になったＩちゃんは、自分の実力が、進みたい方向の最低基準に追い付いていないことを、実感したのです。
・間に合わない
・やってるのに、うまくできない
・皆上手くなってるのに私だけ出来てない
こんなことを、感じてしまったのでした。特に気にしてしまったのは、
・皆上手くなっているのに、私だけ出来てない
ということ。自分が上手くいかない時ほど、周りの皆が輝いて見えることがあります。そんな皆をみて、自分はダメなんじゃないか？と考えてしまいます。
特にじんわり成長タイプのＩちゃんの場合は、自分が全く前に進めていないんじゃないかと感じていたわけです。
結論を先にいうと、Ｉちゃんは某大手声優事務所の養成所に、特待生で入ることが出来ました。
「もういいかな～」と感じた自分のままでいたら、もっと自分を嫌いになっちゃう！とＩちゃんは気が付き、不器用ながら、ただ愚直に練習をしたのです。
人前で話すための練習をするとき、一緒に学んでいるメンバーが化けていく姿を、目の当たりにすることもあるかもしれません。それを見て、焦りを感じたり、「自分はダメだ」と感じてしまうことも、あるかもしれません。
でもそんな時は、自分に質問をしてみてください。
「ここであきらめる私、好き？嫌い？」
この質問で出てきた答えが、あなたの答えです。
人前を克服することは、未来を切り拓く
それではまた次回、お会いしましょう～！
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