「上手な間の取り方ってなんですか?」
スピーチの上手い人って、何が違うんだろうなぁ?と考えた時に出てきやすいポイントの一つが「間」です。しかし同時に、間は「怖い」と感じる方も多くいらっしゃるようです。ずっと喋り続けていないと何だか【シラケてしまいそう】とか、【自分が焦る】など。自分の勢いと焦燥感に負けてしまい、「間」がなくなるのです。自分のことばかりに集中してしまい、聴き手を考えていないから起こっている現象です。
また、「間って何秒間とったらいいんですか?」ともよく聞かれますが特に指定はありません。「間」というものは、必ず●秒置かなくては「間」と呼ぶことは出来ない、という定義に則していないからです。
「間」にルールはない
スピーチにおいての「間」は、相手とのコミュニケーションです。アイコンタクトを取ったり、頷いたりすることで一瞬「間」が空くことをいいます。また、切り替えたい時などは戦略的に入れたりもします。
しかし「間」は何も、スピーチだけではありません。音楽などでもよく利用されています。一瞬音楽をすべて止めて、そしてまた演奏を再開します。音楽が一瞬切れると、何となくグッと引き寄せられる感覚がし、次の展開が楽しみになります。
もちろん、「間」が空きすぎても短すぎてもいけない、絶妙な「間」だからこそ出来ていることに間違いはありませんが、これも、「絶対●秒で」という完璧なルールがあるわけでありません。
インテリアでも同じです。同じ種類の花瓶を等間隔においているのが、1つだけ2倍の間隔をあけておかれていたら?そこに「違和感」を感じて目線が奪われます。引き寄せられているんです。等間隔の中にある「間」に。等間隔と2倍の間隔どちらが良いのかはさておき、これだって、「●㎝絶対にあける」という絶対的ルールが存在するわけではありません。
「間」を取るにはどうするか
「間」に対するルールは、自分で決めます。自分のスピーチ全体からして、この部分は少し「間」を置いてみよう、と、まず自分のスピーチ原稿における全体からみたバランスが必要です。
またここで忘れてはいけないのは、聴き手の存在です。自分勝手に「間」を作り上げてしまうと、実際に聴き手の前で話したときにズレが生じます。これを、「呼吸が合わない」といいます。
自分自身で「間」を意識して練習はしますが、本番になったら一旦その「間」は考えないようにし、聴き手とのコミュニケーションを取りながら作っていきます。
「間」は、緩急をつけるための一つの方法だと思ってください。ずっと同じテンポで聞かされていると単調で飽きてくるからです。最終的にはすべて、聴き手のためです。「間」に対して特にルールはありませんが、大切な聴き手の呼吸とセッション出来なければ、「上手に間を取れる人」とは言い難い、ということです。